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ごあいさつ

ごあいさつ

横浜にぎわい座は、横浜待望の寄席として平成14(2002)年4月、野毛に誕生しました。当館は、開館以来、数多くのお客様やご出演の皆さまに支えていただきながら、おかげさまで日々たくさんの公演を開催しております。 名司会者、演芸愛好家として知られる玉置宏 初代館長は東京落語だけでなく、上方落語の定期公演や漫才などの諸芸の公演も積極的に行うことを、当館の特色として定着させることに尽力されました。また「名作落語の夕べ」公演では洒脱な話術を生かした司会で好評を博されました。 落語界の第一人者である桂歌丸 二代目館長は名作といわれながらも口演映像が少ない三遊亭圓朝作品を演じる独演会を当館で行い、「怪談牡丹燈籠」「真景累ヶ淵」などはその高座をCD、DVD化して後世に至芸を残し、当館が落語ファン、演芸ファンに認知される功績を残されました。 今後も、多くの皆さまにお越しいただいて、生の舞台から元気をいっぱいお持ち帰りいただけるよう、スタッフ一同、尽力いたします。ぜひお気軽に遊びにいらして下さい。ご来場をお待ちしております。
横浜にぎわい座 館長 チーフプロデューサー 布目 英一

横浜にぎわい座 誕生物語

寄席・劇場で連日華やいだ 横浜の街

横浜開港をきっかけに、横浜には多くのもの・人・文化が集まりました。人の行き来が盛んになった伊勢佐木町を中心とする横浜の街には寄席や芝居小屋が立ち並び、連日賑わいました。明治35(1902)年には伊勢佐木町に6軒の劇場と13軒の寄席があったという記録が残っています。伊勢佐木町には、正月や人気興行の時には千人を越える観客を収容したと伝わる落語の寄席の新富亭、浪曲の寄席としては「関東一の寄席」とたたえられた寿亭がありました。「横浜にぎわい座」の由来になった「賑座」という劇場もありました。 野毛でも、神社の境内では辻講釈や落とし噺(落語)が、空き地では大道芸が行われており、明治時代には小規模な寄席が数件町内に生まれています。 東京の劇場街に勝るとも劣らない活気を誇った伊勢佐木町の興行街の賑わいは、関東大震災後は映画館へと転身する劇場もあったものの、戦前まで続きましたが、終戦を迎えると伊勢佐木町周辺は米軍に接収されカマボコ兵舎が並びました。そして接収された伊勢佐木町の近くの野毛に人が集まり、野毛の街は闇市で栄えていくことになります。昭和21(1946)年には映画と実演を行ったマッカーサー劇場が、昭和22(1947)年には美空ひばりが初舞台を踏んだ横浜国際劇場が相次いで開場し、野毛の街は活気に溢れましたが、だんだんとテレビやラジオなど他の娯楽と入れ替わり、次第に寄席や劇場は姿を消していきました。横浜駅西口にあった相鉄文化会館(昭和32(1957)年開業)の地下にも寄席がありましたが、一時は寄席が横浜の街から消えた時期もありました。

大衆芸能を愛する心が生んだ 「横浜にぎわい座」

横浜にぎわい座が誕生するきっかけとなったのは、横浜で生まれ育った落語家・桂歌丸が「横浜に寄席を」と横浜市に寄席の建設を要望したことに始まります。昭和51(1976)年に移転した中税務署の跡地を活用する計画が1980年代後半に持ち上がり、東急東横線桜木町駅の廃止によって、街の活気が失われるのを心配した野毛に住む人々からも「野毛に寄席をつくり、笑いの力で街おこしをしたい」という声があがりました。 こうして開港期から大衆芸能を愛し親しんできた土壌を持つ野毛に、落語・講談・浪曲・漫才などの大衆芸能の専門施設・横浜にぎわい座は平成14(2002)年4月13日に開場しました。伝統を今に受け継ぎ、新しい芸能を生み出す憩いとにぎわいの場として、これからも横浜にぎわい座は野毛の街と共に歩んでまいります。

横浜にぎわい座の取り組み

主催公演

横浜にぎわい座では、毎月1日~7日に開催している「横浜にぎわい寄席」、落語・浪曲・講談の第一人者や今後その業界を背負って立つとみなされる演者による独演会・一門会・二人会をはじめ、趣味をテーマにした「ただの〇〇好き」シリーズなど魅力あふれる多彩な公演を開催しています。また若手演者の研鑽の場である「登竜門シリーズ inのげシャーレ」を年間を通じて開催し、若手の育成にも取り組んでいます。 協会や流派を超えた実力派演者の出演、芸種にこだわらない多様な演者を組み合わせた公演など独創性に富み、他の公共施設では例を見ない公演形態が特色となっており、ベテランから中堅・若手まで豪華な顔ぶれによる公演を実施し好評を得ています。さらに神奈川・横浜・野毛をテーマとする地域に根差した公演や、関東では開催機会が少ない上方落語会、水戸大神楽・尾張万歳といった伝統芸能を取り上げるなど、さまざまな企画で大衆芸能の魅力を紹介しています。

登竜門シリーズ in のげシャーレとは

開館以来、若手芸人の研鑽と飛躍のための機会を提供する場を設けており、平成22(2010)年からは若手育成公演「登竜門シリーズ in のげシャーレ」をスタートしました。若手芸人のチャレンジの場として、のげシャーレ(小ホール)で研鑽を積み、芸能ホール(大ホール)での独演会開催へのステップアップを目指すシリーズで、独創性のある企画・ネタにチャレンジできる実験の場となっています。これまでに三遊亭兼好、春風亭一之輔、古今亭文菊・桂宮治など多くの演者が芸能ホールへの昇格を果たし目覚ましい活躍をみせています。 また、本公演では落語だけではなく講談・浪曲などさまざまなジャンルの若手演者を登用しています。古典・新作両方に挑む落語会や次代の浪曲界を背負う関東・関西の期待の若手が切磋琢磨する二人会など多くの若手演者の挑戦を支援しています。加えて、若い演者とともに若い来場者の拡大も促しながら、大衆芸能を次代に継承していきます。

※「のげシャーレ」:“シャーレ”は実験用ガラス器具。芸人や演し物がここで「育まれていく」ことをイメージした愛称です。

展示・ワークショップ・デジタルコンテンツ

横浜にぎわい座では、大衆芸能に関する展示やワークショップを開催しています。 また、インターネットで大衆芸能をお楽しみいただける「演芸Q&A」「にぎわい座 芸人伝」「芸能散歩」やこれまでに上演された演目や出演者の情報が検索できる「電子根多帳」を横浜にぎわい座ウェブサイトにて公開しています。

施設の貸出

提灯や寄席囲い、桟敷席、仮設花道など大衆芸能の雰囲気が魅力の芸能ホール(391席)、仮設舞台と移動式客席を組み合わせて、多様なアイデアに応じ幅広い目的で使える小ホール(141席)のほか、練習室・制作室を貸し出しています。大衆芸能はもちろんのこと古典芸能、演劇、音楽、舞踊など様々な公演・練習・創作等を行うことができる地域の文化活動の拠点として親しまれています。

※各施設の詳細・予約方法等は「施設の貸出」ページをご覧ください。